【百合漫画大賞2021レビュー④】わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)

こんにちは、前回に続き2回目の周回積分です。レビューの前に少し雑談を。最近Twitterでこんなツイート

を見かけまして…化学系の学科の私にめちゃくちゃ刺さりましたね。百合×化学…とても良い…今後化学の勉強が一段と楽しくなりそうです。

 

【第7位】わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?) (集英社) 著:みかみてれん キャラクター原案:竹嶋えく 漫画:むっしゅ

 それでは今回のレビューです。

 『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』(以下わたなれ)は、高校デビューを果たした女の子が学校で一番の美少女王塚真唯に告白をされたが、友達としての関係を維持したい主人公は、ある日は「親友」として、ある日は「恋人」として過ごして互いにどちらのほうの関係が良いかをプレゼンし合おうと提案され…とお話が進んでいきます。

 

この漫画はみかみてれん先生著、イラストが竹嶋えく先生によるライトノベルが原作です。特筆すべきはこの作者陣。百合オタクにめちゃくちゃ刺さる原作のお二方。さらに『ふりだしにおちる!』や『先パイがお呼びです!』のむっしゅ先生が可愛い系の女の子がほかの女の子たちになつかれるというようなお話に向いてないはずがない!神…神…神の采配…(神コラボによって溶けていく百合オタク)

 

そろそろ話の内容に戻っていきましょう。先ほども述べた通りこの2人は、親友・恋人の良さをお互いにプレゼンすることになります。恋人として放課後に一緒に過ごしたり、親友として遊びに出かけてたり…互いにプレゼンし合う日々が続くがある日驚くべきことが判明します。それはお互いの「親友」と「恋人」に対する認識に齟齬があったこと。互いに自分の思う「親友」と「恋人」とはなにかを確かめ合ったところ、自分たちは違うものを見つめていたと思っていたのですが、実はその中身は一緒だったのです。初めて読んだときはこの目新しい描写で声が出ましたね…友達以上恋人未満が好きなオタクとしてはこれがものすごく刺さります。

 

他にも印象的だったのは主人公は友達から言われた「好き」という言葉が友達としてのものであるはずなのに、恋愛的なものに聞こえてしまう場面。これは王塚真唯の影響もありますが、女性同士の関係性が連続的であることがあると思います。

 

男性同士の場合は「友達」と「恋人」の間がはっきりと分かれているのに対し、女性同士の場合、その間は連続的であると思います。「手をつなぐ」という行為について考えればわかりやすいでしょう。男性同士では友達同士で手をつなぐということはあまりないですが、女性同士の場合はあり得ます(高校生なら尚更)。この連続性が親友と恋人に対する認識の齟齬の一因ともいえます。

 

王塚真唯とのあれこれがどうなるか、さらには主人公とその友達との間にもなにかありそうです。このあたりも今後の展開が期待されますね…以上、『わたなれ』のレビューでした!

 

(by周回積分