【新歓企画】新入生にまず読んでほしい百合作品 part.1

かいたひと:うらん

 

新入生の皆さん、Justise for Girls. 京都大学百合文化研究会です。この度はご入学おめでとうございます。

 

社交辞令はここまでだ。百合を読め。

とはいっても、百合って遍く存在しますからね。このユリキタスな時代に、どの百合を摂取すればいいのかわからないという人もいると思われます。

そんな悩みとは今日でおさらばです。京都大学百合文化研究会には、日夜百合作品を鑑賞している強力なオタクたちがひしめいています。

彼らに、新入生に「これだけは読んでほしい!」と自信をもって勧められる作品を聞いてみました。

百合初心者にまず読んでもらいたい有名作品から、多くの人に知ってもらいたいコアな百合作品まで……。

気になった作品はぜひチェックしてみてください。それでは見ていきましょう。

※作者様の名前は敬称略とさせていただきます。

 

1.私の百合はお仕事です!(未幡)

ジャンル:青春、シリアス、ギスギス

『私の百合はお仕事です!』1巻より


推薦者:Cardinal

 こんにちは、私はシリアス星雲のギスギス星からやって来たキョダイカンジョウスコスコ怪人です。私は主に人間の負の感情を好んで食べるのですが、こちらの『わたゆり』はそんな私の好みにピッタリと合致した素晴らしい製品でした。人から愛されるため演技(ソトヅラ)を完璧に演じる白木陽芽、空気を読むのが苦手でいつも対人関係に失敗してきた矢野美月を中心としたメンバーがコンセプトカフェの内と外で繰り広げる嘘と本当の恋愛を巡る修羅場(バトル)は圧巻です。
 本作はまさに修羅場のシーンにこそその魅力が詰まっていると言えます。各々が胸の内に煮詰め続けていたドロドロした感情が一気に爆発しあうシーンが要所要所にあるのですが、その場面の迫力は筆舌に尽くし難く、舌の肥えたキョダイカンジョウスコスコ怪人の私でさえ舌鼓を打ってしまうほどでした。
 とにかく女性同士のギスギスした恋愛が見たい!修羅場を味わいたい!という方はぜひ一度試してみてください。

 

2.『ゆるゆり』シリーズ(なもり)

ジャンル:コメディ、ほのぼの

ゆるゆり』14巻より

推薦者:うりあ

 『ゆるゆり』シリーズは非常に有名であるが、もし未履修の新入生がいれば是非おススメしたい作品群である。本作品群はいわゆる「日常系」作品と認識されがちであるが、れっきとした「コミック百合姫」連載作品であり、ギャグ、日常描写を主体としながらも百合に対する真摯な描写がなされている。

 また、カップリングの数も非常に多く、その属性も同級生、先輩後輩、姉妹、幼馴染、教師生徒と多種多様であり、必ず自分好みのカップリングに出会うことができるだろう。現在、映画『大室家』が公開されているなど最もアツい百合作品である。

 

3.上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花(塀)

ジャンル:青春、しっとり、大学生

『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』1巻より

推薦者:占冠

 大学寮を舞台とした物語。京大生なら読むべし。

 

推薦者:うらん

 お酒を通じて少しずつ距離を縮めていく女と女の話。しっとりした空気感とおしゃれな絵、ポエミーな会話が作り出す世界観に、呑まれろ。

 教養の深い京大生には特に刺さりやすそう。

 

4.ぜんぶ壊して地獄で愛して(くわばらたもつ)

ジャンル:青春、デカダンス、インモラル

『ぜんぶ壊して地獄で愛して』1巻より         

推薦者:ミジンコ

 この作品で描かれるのは高校生二人の不道徳への耽溺である。優等生の吉沢が主人公であり、それと対置されるように直井という人物が配置されている。物語は静かに始まるが、次第にインモラルとデカダンスに向けて一気に加速していく。そのアクセルを踏むのは直井でもあり吉沢自身でもある。直井は吉沢を嚮導し、二人の関係性の中で主体的に振る舞う。しかし吉沢は直井に対しての客体であり続けてはいない。物語が進むにつれて吉沢は積極性を持つ、もしくは自らを変質させていく。吉沢は主体性へ向けて前進し、直井との関係性も変化する。吉沢と直井の退廃的な関係、しがらみから解き放たれて情念の解放に疾駆する二人の関係性に、我々は百合という言葉を手向けることができよう。
 この作品に「百合」を見出せる点は吉沢と直井の関係だけではない。吉沢を取り巻く周囲の桎梏にも「百合」を見出すことが出来る。吉沢の友人の下田、そしてはたまた吉沢の母親との関係においてもその言葉をあてはめられるだろう。
 吉沢はデカダンスへと加速していく。その中で振りほどかれていく関係、変質していく関係、新たに生み出されていく関係とそれらが生み出す衝動と情動に突き動かされる少女らを目にすることが出来る作品がこの作品である。

 

5.紡ぐ乙女と大正の月(ちうね)

ジャンル:ほのぼの、シリアス

『紡ぐ乙女と大正の月』3巻より

推薦者:まっつごー

 ちょうど完結したので。物語のクライマックスで関係性が完成される様は感動間違いなしの作品です。時間的な隔絶がより二人の想いを強くするのが良き。

 

6.総合タワーリシチ(あらた伊里)

ジャンル:ラブコメ、青春

『総合タワーリシチ』2巻より

推薦者:うらん

 ラブ‼️コメ‼️という感じのラブコメ作品。何が言いたいかというと、テンポよいコメディ要素の中にしっかり恋愛描写が存在しており、どちらの要素をとっても満足度の高い作品ということです。読めばわかるので読んでください。10年以上前の作品ですが、私自身先輩から布教されて現在激推ししているので、新入生にも受け継いでいってほしいです。

 

7.伊勢さんと志摩さん(トクヲツム)

ジャンル:コメディ、ほのぼの

『伊勢さんと志摩さん』1巻より

推薦者:いらしょなるなんばー 

百合オタク、百合は恋愛以外も含むが?みたいなこと言ってる人割といるけど実際どれ?
A. これ

8.恋より青く(深海紺)

ジャンル:三角関係、学園

『恋より青く』1巻より

推薦者:月海

通学路、電車の中、隣で笑う、違う制服の君──
「偶然」からはじまった二人の少女の歩み寄りを中心に描かれる、女子高生たちの淡い青春群像劇。
表題のとおり彼女たちが抱く恋より未熟で、でも透き通った「青い想い」に胸が締め付けられます。
現在2巻まで発売中(4月当時)。最新話はコミックOGYAAAにて読むことができます。

 

9.斜陽【前半】(太宰治

ジャンル:デカダンス

太宰治とはどんな人物?簡単に説明【完全版まとめ】 | 歴史上の人物.com

太宰治Wikipediaより引用)    

推薦者: 点々

 後半は百合ではない。しかし前半の1章、2章には流石太宰といった美しい文体で母娘の愛が描かれている。没落華族として2人で隠遁生活を送るこの母娘はどこか切ない雰囲気を纏う。これは恋愛では決してないが、その儚いような愛情の形はいつ見ても惚れ惚れするようで気がつくとその世界観に包みこまれてしまう。大正期デカダンスの大家、太宰治の描く母娘の関係性はそれだけで一読の価値があるだろう、しかし百合を目的に読むのなら後半は気を付けて読まなければならない。無論、作品としての評価は言うまでもない。

 

10.あの娘にキスと白百合を(缶乃)

ジャンル:学園、同居・同棲、 姉妹百合、 三角関係、 主従関係、 家族愛、 部活

『あの娘にキスと白百合を』8巻より

推薦者:猿渡白雪

 「ライバル」「幼馴染」「先輩後輩」「姉妹」「犬猿の仲」「三角関係」――。「女子高」を舞台に考えられる「百合」な関係性は全てここにある! 何組もの百合カップルの物語をオムニバス形式で描き、その1つ1つのカップルのストーリーが基本を押さえつつも目が離せないものになっている。それだけでなく、作品全体としても1つのコスモスとして美しくまとまっており、主人公カップルであり、もともとライバルという関係から始まった白峰あやかと黒沢ゆりねの2人の行きつく着地点は非常に秀逸で感嘆せずにはいられない。

 百合好き初心者にぜひとも手に取っていただきたい、2010年代前半を代表する百合漫画界の名作。この作品を基に自分がどんな「関係性」に惹かれるのかを知り、百合好きとして自分の「好き」に出会う最初の一歩を踏み出してみませんか?

推薦者:はたはた

 様々な形の百合が登場するので、百合初心者が自分の好きな百合を探すのに最適と考える。

 

 

オタクたちの推薦が止まる気配が無いので、今回はここまで!Part2で引き続き紹介します!それでは!