かいたひと:りんどう
はじめに
ごきげんよう。新入生の皆様はご入学おめでとうございます。履修は計画的に。俺みたいになるな。

学業はさておき、弊会も新歓例会が始まり、ありがたいことに予想より多くの入会希望者にお越しいただいております。
百合文研の新歓は百合初心者から熟練のオタクまで大歓迎ですが、そうなるとやはり気になるのは「百合初心者に勧める作品」。百合オタク永遠の問いともいえるこの話題ですが、私が提出したいのがこの回答。

ろここ先生作『保健室はふたりきり』の、2巻です。
本作は、とある女子高の保健室で繰り広げられる、ささやかなれど濃密な関係性を描いたオムニバス作品。私が勝手に提唱・愛好している「保健室百合」ジャンルの一作でもあります(他では「きみ死ぬ」など)。
なぜこの作品がオススメなのか、そしてなぜ2巻なのか。解説していきます。
理由①:百合一直線のストーリー
本作はオムニバス形式であり、それぞれのカップリングに焦点を当てた30~40ページのストーリーが1冊につき4組収録されています。
ワケがあったりなかったりで、カーテンで仕切られた保健室に二人きりになる百合カップルたち。学校という集団のなかに生まれた閉鎖空間に逃げ込んだ彼女らの、ちょっとした非日常のイチャイチャが王道に描かれるのが最大の魅力です。一章の長さがコンパクトな分、二人の掛け合いが絶え間なく続くので、百合の一番おいしい部分を序盤から楽しむことができます。
理由②:四者四様の関係性
2巻に収録されているのは、病弱お嬢様×保健室登校、ツンデレ幼馴染、ドジっ子独占欲、先生同士カップルの4組。気持ちを素直な言葉にして伝える子、モノローグでクソデカ感情が明かされる子、二人きりになるためわざわざ保健室に通う子…と描写が豊富で、そのどれもが百合だと確信して楽しめる安心(?)設計となっております。

私のお気に入りは桃音×杏の章。杏にいつも世話を焼かれているドジっ子の桃音は、ヤンデレ風味な感情を杏に抱えており、その行き場に迷っている不器用な子だけれど、実は…というお話です。
理由③:なぜ1巻ではなく、2巻なのか
オムニバス形式のこの作品、連載当時はカプA①→カプB①→カプC①→カプD①→カプA②→…という順で掲載されていたのですが、1巻はこの連載順のまま収録されていました。対して2巻では、カプE①~④→カプF①~④→…という順に改良されており、各カップルのストーリーが読みやすくなっています。
目次から飛べばいいと言えばそれまでなのですが、布教においてはストレスフリーであることも大事な要素。1巻と2巻では収録ストーリーも独立しており読む順番を問わないので、初心者には2巻から読ませたいと考える所存です。
おわりに
ろここ先生の商業デビュー作である『保健室はふたりきり』、いかがでしょうか。先生の繊細な絵はさらに進化して、『君になれたら』『メイドに力負けするなんて恥ずかしくないんですか?』で現在も活躍中です。そちらもよしなに。
ではみなさま、本年度もよき百合を!